子どもデザイン教室ブログ

「言葉で描く絵本の世界」発表会の報告

デザイン教室 | 2018.03.07(水) | No Comments

◎子どもデザイン教室とは?
子どもデザイン教室では、子ども、とりわけ親と暮らせない子どもたちの自立支援として、成長に合わせた4つの「遊び×学びレッスン」をしています。遊び感覚のデザインレッスンを通して、自分の将来を自分自身で設計できる「自分デザイナー」を育てています。

社会で自主創造的に生きるには、自己肯定感の高さが必要です。自己肯定感こそが明日をよりよくする力の根底になります。そのためには、人の話を聞き、自分の話を言う、対話力が必要です。なぜなら自己肯定感には、人との関係が必要で、単に自分が好きな自己愛とは違うからです。

遊び→学びではなく、教科学習が自分デザイナーになる足がかりにならないか?かねてから、そう考えていました。教科学習の中でも基軸は「国語」です。そこで、教科学習の国語ではなく、デザイン教室ならではの国語、「デザイン国語」を創立10年目を迎えた昨年、実施しました。

◎デザイン国語とは?
スタッフは、府立大学の伊藤先生を監修に、今宮工科高校の井上先生と藤井先生に講師をお願いしました。「しらん、分からん」ではなく「私は、それは、○○だ」と言える力。国語の聞き、話す力に特化して、自信・自己肯定感を高め、自分デザイナーの足がかりにしようと考えました。

国語=コミュニケーションの本質は、他者を理解し、他者に理解されることです。そこで、国語の力=論理力で、他者を理解し、納得を得る方法を考案しました。レッスンは、第1ステージ「妥協する、説明する、定義する、読書感想文」で、自分の気持ちを他者に伝える方法を学びました。

第2ステージでは「けんかしない、討論する」をしました。ここでは意見の違いを言葉で解決する方法を学びました。最後に、第3ステージ「プレゼンする」では、自分の思いや考えを言葉で伝える方法を学びました。

そして、その1年間かけたレッスンの集大成として、今回「子どもがするプレゼン 言葉で描く絵本の世界」発表会を3月3日に開催しました。プレゼンの目的は自分と他人を理解するために、聞く話す国語の力を使って、自分の感覚・感情と来場の皆さんの感覚・感情の共感をめざしました。

◎「言葉で描く絵本の世界」発表会とは?
私たちは、この共感によって子どもの自信・自己肯定感の高まることを企画しました。小学生の子は、子猫の冒険を描いた「ちいさなねこ」。自分を成長させてくれる冒険心の後ろに家族や家族代わりの人がいることを語りました。

中学生の子は命の大切さを描いた「100万回生きたねこ」。さみしさ、一人、寄り添い、友だちを語りました。「いっしょにいき、いっしょにしぬことがしあわせだから、すきになることがたいせつです」との言葉が、胸に刺さりました。

高校生の子は、自らの経験をもとに、友情を描いた「ことりとこねこのものがたり」を選びました。中学生の子は家族を描いた「岸辺のふたり」。「大切な人が突然いなくなっても1人で強く生きていかねば」と語ります。涙が出てきて仕方ありませんでした。

いずれもその根底にあるのは、さみしさを抱えた自分、寄り添ってくれる誰か、命です。絵本は沢山ある教室の絵本の中から子どもたち自身が選びました。子どもたちがそれぞれ抱えている課題をあまりにも素直に代弁する絵本を選んだことには驚かされました。

プレゼン分は講師の指導を受けて、自分たちを内観し、感覚、感情を筋道を立てた言葉(論理)に置き換えていきました。レッスン開始最初はレッスン自体が成立しにくいこともありましたが、そんな子どもたちとは思えないほど、おとな顔負けの心揺れ動くプレゼンでした。

各プレゼンが終わると、オーディエンスの皆さんが、それぞれ共感した応援メッセージを花柄の用紙に書き、修了証書に貼り、素敵な共感の花束を作り、子どもたちがそれぞれ選んだ絵本と共に授与しました。子どもたちの誇らしげな顔が私たちの宝ものとなりました。

デザイン国語レッスンで自己肯定感が上がるのか?学ぶ力は上がるのか?上がったとしても僅かなものではないか?そう不安でした。しかし、目に見えてはっきり分かるほど子どもたちは成長しました。驚くべき姿です。最後のインタビューで子どもたちにとった自己採点はほぼ100%の数値でした。

◎謝辞と来年度のデザイン国語研究レッスン
1年間、仕事の合間をぬって、熱心に教案作りに取り組んでくださった井上先生、藤井先生。そして、伊藤先生とゼミ生の皆さん、感情が溢れる素晴らしい朗読をご披露くださったメグミクロさん、本当に、本当に、本当にありがとうございました。

また、お忙しい中参加くださった27名の皆さん、素晴らしい共感をありがとうございました。児童養護施設の理事長、施設長、NPO支援者、賛助会員、ご近所、ご家族連れ、中は遠く三重県からお越しの方もいらっしゃいました。皆さんのおかげで素敵な発表会を開催できました。

皆さんにも暖かいものをお持ち帰り頂けたのではないか?と自負しています。さて、このデザイン国語研究レッスン、4月からは府立大学の伊藤先生、今宮工科高校の井上先生・藤井先生ご協力の下、私が講師をし、毎週金曜日の夜に6時から中・高生を対象に開催します。ご期待ください。

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