子どもデザイン教室ブログ
いつまでもお元気で。
takorockな毎日 | 2015.07.21(火) | No Comments
記者会見で久しぶりに安藤忠雄さんを拝見した。お元気がないようだった。安藤さんは最初のコンペでは「アイデアを選んだだけ」と言われた。それにしては公募と言いつつ、コンペの参加資格があまりにも高すぎていた。アイデアコンぺと言うには齟齬がある。
あれはデザインコンペだったはず。デザインコンペなら、アイデアだけでなく、機能や予算、使い心地、つまりは使う人のことを深く考慮しないと。美術作品を選んでいるのではない。建築デザインはアートではない。
ただ、コンペ後になって異を唱える人がいる。なら、コンペ時に異を唱えないと。自分が落選してから、もしくは参加せずに、後になって文句を言い出すのは合点がいかない。ザハ案に決まる前、確か建築雑誌の投票でもザハ案が圧倒的に1位だった記憶がある。
当時の印象は「安藤さんも無難に選択したんだ」と思ったものだ。今回の一件で昨年、安藤さんは無言を貫いた。どなたか著名人の「出てこいアン公」という文を読んで、当時はその主旨には賛同したが、病いと闘っておられたのだ。出てきて説明できなかったのだ。
申し訳ないことを思ってしまった。ことの真相は本人でないと分からない。他人の意見には常に偏向めがねがかかっている。自分で見聞き空いたこと以外は頭から信じないことだ。
5年程前に病気をされたが、もう復調されたと思っていただけにショックだ。私にとって安藤さんはメンターである。私よりちょうど10年お歳が上で、常に憧れの目標である。執念、強引さ、合理性、人柄、知識、観点、実行力、あらゆる点で学ぶことだらけだ。
私は安藤さんは決して病気になる人ではないと信じていた。なぜなら粗食で、毎朝運動をされ、人一倍健康に注意され、合理的で、あれだけ大きな仕事をいくつも抱えておられるのに、健康一番という亊の本質は外されないとお見受けしていたからだ。
それだけに安藤さんがご病気と言うと、私の毎朝のウォーキングも意味はなくなるように思ってしまう。いずれにしてもいつまでもご健在で、できれば一般人の小さな住宅だけを設計し続けてくださらないかと願っている。