子どもデザイン教室ブログ
工芸高校が存続の危機に
takorockな毎日 | 2013.02.13(水) | 1 Comment
工芸高校の作品展で、学食のカツカレーを食べながら、ふと考えました。
工芸高校が存続の危機にあると聞きます。理由は老朽化した校舎の耐震工事に巨額の費用を払ってまでの教育的効果があるのか?だそうです。かつて工芸高校といえば、卒業生のほとんどが就職し、職能学校としての社会的な意義がありました。
(ちなみに、私は卒業してから1年間ボウフラみたいに漂っていましたが、、、)
しかし、今や学生の多くが芸術系の専修学校や大学に進学し、再びデザイン教育を受けています。この点を見れば、工業芸術系の高校はあってもいいし、なくてもいいように思います。一方でデザインの業態は、私の知る40年だけでもその姿を大きく変えました。
かつてデザインは工業芸術学の領域でしたが、現在は社会学・経済学・環境学・工学、教育学、、様々な領域にその分野を広げています。そのなかで見た作品展は私の学生時代のデジャブ(既視感)のようでした。 例えばビジュアルデザイン科。
烏口(実務では化石化した画材)を使った円構成などは郷愁を誘いますが、少女マンガ(意図して描いたのではなく、描きたいから描いたような)が点在し、これを認めている教育現場の狙いとは何なのでしょうか?
そもそも、情報がビジュアルを介さなくても伝わる時代に、なぜビジュアルデザイン科なのでしょうか?3年間も2次元の静止画を主題にする理由がよく分かりません。重要な課題ではありますが、恐らく数項目の授業で十分なはずです。
情報流通がOtoOに変わっているのにCG、Web、アニメ、プログラミングなどは必要ないのでしょうか?もっと基礎的座学のソーシャルデザインやマネジメント、環境デザインや経済社会、マーケティングは教えなくていいのでしょうか?
生徒が先生にイラストレータ(デザインの標準ソフト)の使い方を聞いたら『私、よく分かんないのよね〜』と教えてくれなかったそうです。生徒の授業態度も相当らしいですが、先生の授業態度も耳を疑う話を聞きます。
教育の責任は重く、社会は経済で動いています。 私自身、母校がなくなるのは辛いですが、カリキュラム、教員教育、校名、社会的な意義を考えないと、なくなるのは誰のせいでもなく「自滅」だと思います。
大学の価値が相当下がってきました。自社アプリの作れる高校生、経済統計の分かる高校生、貴重な人材になると思います。世の中には高卒で働かざるを得ない高校生はごまんといます。そういう高校生に先端工業芸術を教える学校があってもいいのではないでしょうか?
このカレーももう食べられなくなるかと思うと、カレーだけに辛口なコメントになりました。
One Response to “工芸高校が存続の危機に”
2013.02.25(月)|11:44 AM|
かって工芸高校傍-三明町-に在住し姉が油絵科を受験した時に訪れた木造の校舎が今も思い出に残っています。廃校になるとは知りませんでした。