子どもデザイン教室ブログ
東京2020大会のエンブレムが決定
デザイン教室 | 2016.04.25(月) | No Comments
東京2020大会のエンブレムがA案・組市松紋に決まりました。私も何らかコンペの選考者になった経験からよく分かりますのが、コンペは作る人もさることながら、選ぶ人の見識が重要です。今回のA案採用には選考委員の皆さんの並々ならぬ心意気を感じました。
世評を加味してA案以外を選んだ方が波風は立たないでしょう。それだけA案は言わば突っ込み処満載です。しかし、そう捉えるとそれまでです。A案はかつてないエンブレムであり、真のオリジナルであり、他を寄せ付けない独創性がある、そこを採択したのでしょう。
今回応募した14599名のうち、真剣に応募した人たちは「これは参った、これには叶わない」そう感じたのではないでしょうか。少なくとも私はA案が選ばれたことによって、そう感じました。
今回のA案は見え透いた下心がありません。真っ直ぐに貫かれた哲学を感じます。これ以上なく単純にして、これ以上なく複雑です。立体にも見えるし、平面にも見える。シンメトリーに見えて、実はそうでない。一番の凄さは藍色一色の痛快さです。
応募されていない方には分からないでしょうが、1カ月ほどかけて1案しか応募できないのです。普通、いろんな計算、打算が入り交じって、色を加えたり、飾りを加えたりしてしまいます。少なくとも私はそうしました。
これは相当なプロの手仕事でしょう。見事なまでに研ぎ澄まされた精神性を感じます。今までの8案を俯瞰するのではなく、A案に決定されたことによって、その凄さが浮かび上がってきました。
こんなアイデアは思いつきませんでした。脱帽です。賞賛です。応募された14599名すべての皆さん、子どもたち、選考委員の皆さんご苦労様でした。そしてこの栄冠を見事に射止めたデザイナーさん、本当におめでとうございます。
なお、子どもたちの応募案は子どもデザイン教室内で展示中です。お近くにお寄りの際はご覧ください。