子どもデザイン教室ブログ
ジリアン・リンの話
デザイン教室 | 2012.09.29(土) | No Comments
家でもずっと工作をしている女の子がいる。保護者の方が心配されたので、『どうか止めないでください』といった。
彼女の話を聞いたとき、TEDカンファレンスでケン・ロビンソン教授が披露したジリアン・リンの話を思い出した。1930年代、幼小の頃、彼女は落ち着きがなく、宿題を忘れ、まったくじっとしていない子だった。ある日、心配した母親は彼女を連れて医者に相談したという。
医者はじっと母親の話をきき、ラジオをそっと付け、ジリアンを残して母親と共に部屋をでた。そして、のぞき窓からジリアンを覗くと、彼女はラジオの音楽に合わせ、1人、部屋で踊っていたそうだ。
困惑する母親をみて、医者はこう言った。「いかがですか?お母さん」「はあ、」ため息をつく母親。そして、医者はこう続けた。「分からないのですか?お母さん。彼女はダンサーなのですよ。彼女は音楽と話ができるんです」と。
その後、彼女はダンススクールに通い、ジャズ、モダン、タップ、バレーを習い、ロイヤルバレー校のソリストを勤め、やがて、ジリアン・リン・カンパニーを起こし、ビジネスとしても成功を収める。その後、アンドリュー・ロイド・ウェバーと出会い、キャッツ、オペラ座の怪人の振り付け師に抜擢される。
概ね芸術は数学や国語の下位に置かれる。産業社会にあまり意味のないものだからだ。このようにケン・ロビンソン教授は指摘する。しかし、芸術が産業社会にもたらす影響が大きくなってきている。
私たちも不断の努力が必要だ。