子どもデザイン教室ブログ
奇妙な巡り合わせ
デザイン教室 | 2017.05.09(火) | No Comments
親と暮らせない子を支援する子どもデザイン教室が法人化した2010年。この活動に確信がもてたきっかけは、当時小学生だった女の子の「なんもええことあらへん、生まれてこんかったらよかった」と言う呟きでした。
自分自身は親の大きな愛に育まれて、親に愛されることが当たり前だった私にとって、この小学生の呟きは衝撃でした。それから私は、親と暮らせない子が「生まれてきてよかった」と思える世の中にしたいと活動を加速させました。
そして、この子たちを自分で育てられないかと思い、それには里親という制度があることを知り、2011年に里親になりました。その後、児童相談所との意見の相違があり、その子はある所に引き取られていきました。
最後にその子と安物のお寿司ランチを食べてお別れしました。あまりおいしくなくて、何だか侘しい想いをしたことを覚えています。そしてその子はあっけなくいなくなり、もうそれっきり。でも何かある度に思い出していました。
教室の片付けをしているGWも、その子の作品が出てきては「元気にしているかな」としみじみしていました。でも、しかし、です。長く同じことをしているといいことがあるものです。今日、ある児童養護施設の施設長さんが訪ねてこられ、打合せの終わりに世間話をしていると、、、
「そういえば今、施設にいる子が昔、デザイン教室に通っていたと言っていましたわ」と仰るではありませんか!そ、そうなんです。それがその子!色んな事があって、今、その施設にいると!何とも奇妙なご縁を感じざるを得ません。
何としてでもその子をもう一度、デザイン教室に通わせてほしいと何度も何度もお願いしました。どうなるかはわかりませんが、この子にこそ「生まれてきてよかった」と想ってほしい、その時間を共にしたいと、本当に、本当にそう願っています。